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新嘗祭



本日は新嘗祭です。

今でこそ勤労感謝の日、と休日という形で残されておりますが、元々は新嘗祭が行われる祭日でした。
祭りは、同じ音のまつり(纏り)の意味があり、まつり縫いで布と布が合わさるように神と人が一体化するイベントであることを示しています。

では、新嘗祭とは何でしょうか。
一言でいうと今年取れた物を神様と一緒に味わうお祭りです。
嘗という字には舐めて味わうという意味があります。新は新米など、今年収穫された穀物のことを表します。

新嘗祭は一年で一番大事なお祭りと言われているだけあり、実は一ヶ月前からお祭りの準備が始まっています。
まず、10/15~17に伊勢神宮で神嘗祭が行われます。
15〜16日に天皇陛下が外宮をお参りし、神饌神饌(みけみけ)を豊受大神(とようけのおおかみ)様にお供えします。豊受大神様は天上世界で穀物を生み出した神様で、食べ物を守ってくださっている神様です。伊勢神宮では天照大神様のお食事をご用意する役割を担っています。神饌神饌は新米や新酒などです。
そして16〜17日は内宮で天照大神様に神饌神饌をお供えします。

そして今日11/23に、お供えしたものを御所内の宮中三殿にて一緒にいただきます。
宮中には三殿というように3つの神社があり、皇祖神で太陽をしろしめす天照大神様、歴代天皇・皇室の方の魂、天神地祇(天上・地上の神様)が祀られています。
その方々とお食事を共にするのです。
新嘗祭では3つの儀式が執り行われます。まず、こちらも(前日から!)準備があり、天皇陛下の魂を強化する鎮魂祭が行われます。
そして当日、これから新嘗祭を始めますという奉告を天皇陛下と神職の方が祝詞を奏上して行った後、食事を取る神嘉殿の儀(夕神饌の儀(18~20時)と朝神饌の儀(23~1時)の二部構成)を行います。神饌神饌には、炊いたお米や粟、お粥、白酒・黒酒、鮮魚(鯛・イカ・アワビ)、干し鯛(干すことで太陽のエネルギーが入るため)、カツオ、タラ、柿、栗、ハマグリ・海藻・アワビの煮付けなど海のものも山のものも太陽の恵みのもと生まれているということで感謝していただくのです。

去年のように、即位されて最初の新嘗祭のことを大嘗祭と呼びます。こちらは通常の新嘗祭と違い、お供えするお米を亀占で決めます。
令和は栃木と京都が選ばれました。(平成は秋田と大分、昭和は滋賀と福岡、大正は愛知と香川、明治は山梨と千葉だったそうです)
古文書の時代から、大事なことは必ず占いで決めてきました。占いには裏が無いー表(見える世界)も裏(見えない世界)も全て見えてしまうという意味で占いという名前がついています。目に見えない世界からのメッセージを受け取って、令和の時代に合ったお米をお供えしているのです。

先ほど1ヶ月前から準備をしていると書きましたが、本当は新嘗祭とワンセットのお祭りである祈念祭が2/17にありますので、日本人は一年を通して稲に感謝していることになります。祈念祭では今年の五穀豊穣を祈願する予祝を行います。

ちなみに、この新嘗祭は天上世界でやっていることの真似っこなんです。天上世界では天照大神様がなんと天皇陛下と同じように天上世界で出来た稲や布を天祖(あまつみおや)様(ビッグバンより前からこの世界に存在し、全てを他の神様に譲り渡した神様)に奉納しているということが先代旧事本紀大成経に書いてあります。神様ですらおかげさまの心を持って感謝をしているのに、人間が感謝していないのはおこがましいにも程がある、とつくづく思ってしまいますね...
食事の時にいただきますを言うところだけでも、まずは徹底していきましょう。

天皇陛下が世界を代表して自然の恵みに感謝し、私たちの食べ物を守るため祈ってくださっている今日の日ですが、嘗の字を分解すると、私たちが今日何を行えば良いのか紐解くことが出来ます。

嘗のかんむり、小がしらを分解するとカタカナのソとうかんむりに分けられます。うかんむりは宇宙を示します。ソは祖-ルーツを表します。
小がしらの下には口(くち)があります。口は祝詞を奏上し神様と繋がる手段でもあります。ヒは霊-魂を表します。魂という字の左側は云(はこ)ぶという字です。目に見えないもの(才能)を運んでいるのが霊-魂です。その下の日は太陽-天照大神-神様を表したり、口+口に分解することも出来ます。

まとめますと、宇宙の想いを受け取っている私たちが、才能や力を発揮しているか、誰かを喜ばせるためにその力を使えているか、確認し、スタートする日が今日という日なのだということになります。たくさんのおかげさまの元に成り立っている私たちの生活。私たちは、いただいた恵みに感謝し、恩返しすることが出来ているでしょうか。せっかく譲っていただいた命を世のために使えているでしょうか。天祖様は私たち一人ひとりに、「任せたよ、よろしくね」とこの世で果たすべき役割と、それを全うするのに必要なだけの才能を譲り渡して、この世に送り出してくださっています。
昨日参加した会でちょうど、みんなでこの人生を最後の最後まで謳歌しきって、転んで擦り傷だらけでも「私、やり遂げたよ!」とあの世でみんなでハイタッチしようねという話で盛り上がりました。ご先祖様やご縁のあった方々がみんな空の上で見守ってくださっているとしたら。やり遂げるぞ!と身が引き締まると同時に勇気が湧いてきました。今日も、ただ呼吸してるだけが生きているということではないという言葉と出会いました。私だって数年前までただ食べて寝るだけの日々を過ごしていた時もあるし(食事で他の命を犠牲にしているのに何もしていない申し訳なさでますます自己嫌悪に拍車がかかる日々でした)、今だって出来ていないことがたくさんあるけれど。少しずつ出来ることを増やして、手を抜かない部分を増やして(私の才能は完璧を目指して完成させることなので)、命ある限り、世の中に1mgでも多く幸せの総量が増えるように行動し続けると決めています。

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写真は明治神宮で撮影いたしました。お米はもちろんたくさんの種類のお野菜やお肉にお魚、お花が全国から納められており日本の自然の豊かさを感じずにはいられません。

澤 万琳


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